2026年8月14日

発酵食品を食べたり、食物繊維を意識して摂ったりするなど、腸内環境を整えるための方法はさまざまです。しかし、腸内細菌の構成は一人ひとり異なるため、「自分に合った腸活」を考えるには、まず現在の腸内環境を知ることも大切です。
腸内フローラ検査(腸内細菌叢検査)は、便を検体として腸内に存在する細菌を解析し、ご自身の腸内環境を可視化する検査です。
当院では、より詳しく腸内細菌叢を調べることができる「MicroBioMe(マイクロバイオミー)」を導入しています。
この記事では、腸内フローラ検査の基本から、MicroBioMeで分かること、検査の流れ、結果の活用方法まで解説します。
腸内フローラとは?
腸内には非常に多くの細菌が生息しており、これらの細菌が集団として存在する様子は、花畑にたとえて「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内細菌は単に腸の中に存在しているだけではなく、食物繊維などを利用してさまざまな代謝産物を作るなど、私たちの身体と密接に関わっています。なかでも、酪酸・酢酸・プロピオン酸などの短鎖脂肪酸は、腸内環境を考えるうえで重要な物質です。
近年では、腸と脳が互いに影響を及ぼし合う「脳腸相関」についても研究が進み、腸内環境は消化管だけでなく、全身の健康との関わりからも注目されています。さらに、腸内細菌とさまざまな疾患との関連についても研究が進展しており、特定の疾患の発症や進行に腸内細菌叢が関与することを示す知見が蓄積されています。
このように、腸内フローラは私たちの健康と深く関わる重要な存在であり、近年ますます研究が進められている分野です。
腸内フローラ検査で何が分かる?
腸内フローラ検査では、便を解析して腸内細菌の種類や割合などを調べます。
MicroBioMeで分かること
・脳腸相関や免疫スコア、50種類以上の菌の状態など約70項目がわかる。
・不足する有用菌(善玉菌)がわかる
・不足する有用菌(善玉菌)がよろこぶ食材がわかる
・いつもの腸活からさらに一歩進んだアクションをとることができる
・腸内細菌の潜在能力(ビタミンや短鎖脂肪酸を作る能力)がわかる
このように、ご自身の腸内細菌を「見える化」することで、これまで何となく行っていた腸活を、より具体的に考えるきっかけになります。
「自分に合った腸活」を考えるために
腸活というと、「ヨーグルトを食べる」「発酵食品を摂る」「食物繊維を増やす」といった方法がよく紹介されています。もちろん、バランスのよい食事や食物繊維を摂ることは腸内環境を考えるうえで大切です。
一方で、腸内細菌の構成には個人差があります。
そのため、「みんなに同じ腸活」ではなく、自分の腸内環境を知ったうえで、できることから取り組むという考え方もあります。
MicroBioMeでは、不足している有用菌や、その菌が好む食材などを確認できるため、日々の食事を見直す際の一つの参考になります。
MicroBioMeの検査方法
検査は、専用の検査キットを使用してご自宅で便を採取して行います。
<検査の流れ>
STEP 1 検査キットを受け取る
当院で検査についてご説明し、専用の検査キットをお渡しします。
STEP 2 ご自宅で採便
キットの説明に従って便を採取します。
STEP 3 検体を提出
採取した検体を所定の方法で提出します。
STEP 4 腸内細菌を解析
検体をもとに腸内細菌叢を解析します。
STEP 5 検査結果を確認
解析された結果から、ご自身の腸内環境を確認します。
検査結果は「どう活用するか」が大切

腸内フローラ検査は、結果を知ることだけが目的ではありません。
大切なのは、現在の腸内環境を知り、その結果をこれからの生活にどう活かすかということです。
例えば、
「どのような食材を意識して摂ればよいのか」「今の食生活をどのように見直せばよいのか」「自分の腸内細菌にはどのような特徴があるのか」
といったことを考えるきっかけになります。
MicroBioMeでは、検査結果をもとに、ご自身の腸内環境に合わせた食物繊維のブレンド「KIRIN fiber」をご案内することもできます。
検査結果を一つの参考情報として、ご自身の生活に無理なく取り入れられる方法を考えていくことができます。
腸内フローラ検査はどんな方におすすめ?
腸内フローラ検査は、次のような方におすすめです。
・自分の腸内環境を詳しく知りたい方
・「腸活」を始めたいけれど、何をすればよいか分からない方
・自分に合った食生活を考えたい方
・日頃の食生活を見直すきっかけが欲しい方
・健康維持のために自分の腸内環境を確認してみたい方
便秘や下痢、腹痛などの症状がある場合には、腸内フローラ検査だけで原因を判断することはできません。症状が続いている場合は、まず消化器内科を受診し、必要に応じて適切な検査を受けることが大切です。
腸内フローラ検査に健康保険は使える?
MicroBioMeによる腸内フローラ検査は、健康保険が適用されない自費診療です。
検査費用については、当院の腸内細菌叢検査のページをご確認ください。
腸内フローラ検査は「意味がない」の?
インターネットなどで「腸内フローラ検査を受けても意味がない」という意見を見かけることがあります。
腸内細菌と健康との関係については現在も研究が進められており、腸内細菌が身体のさまざまな機能と関わっていることが分かってきています。
一方で、腸内細菌と病気との関係には、まだ解明されていない部部もあります。
そのため、腸内フローラ検査は、病気を診断する検査ではなく、ご自身の腸内環境を知り、食生活や生活習慣を見直すための情報の一つとして活用することが重要です。
検査結果だけで健康状態を判断したり、医療機関で受けている治療を自己判断で中断したりすることは避けてください。
腸内環境を知ることから「腸活」を始めてみませんか?
腸内環境は目で直接見ることができないため、普段の生活の中で自分の腸内細菌について考える機会はあまりありません。
しかし、腸内には多種多様な細菌が存在し、食事や生活習慣とも密接に関わっています。
「腸活を始めたいけれど、何から始めればいいか分からない」
そのような方は、まず現在の自分の腸内環境を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
当院の特徴
・専門医による検査
日本消化器病学会・日本消化器内視鏡学会の専門医が丁寧な大腸カメラを行います。
・土曜日、日曜日の大腸カメラに対応
平日はお仕事や家事でお忙しい方でも、週末を利用して無理なく検査を受けていただける体制を整えています。
・検査当日の「日帰りポリープ切除」が可能
大腸がんの原因となるポリープが見つかった場合は、検査時にその場で切除し、将来のがんを予防します。
