大腸ポリープの症状と原因
大腸ポリープは、小さい場合や平坦な形状では、ほとんど自覚症状がありません。ポリープができやすい部位は直腸やS状結腸で、これらは硬い便が通過する場所のため、ポリープがある程度大きくなると、便潜血検査で陽性となり発見されることがあります。
さらに増大すると、腹痛、便通異常、出血(血便)、粘液便などの症状が現れることがあります。こうした症状がみられる場合には、すでにがん化している可能性もあるため、早めに医療機関を受診し、適切な検査・治療を受けることが重要です。
大腸ポリープ・大腸がん

大腸ポリープとは、大腸の粘膜の一部がイボのように盛り上がったものの総称です。形はきのこのような茎を持つものから、平坦なものまで様々です。ポリープは組織の性質により、腫瘍性ポリープ(大腸腺腫・大腸がん)と、非腫瘍性ポリープ(過形成性・炎症性・過誤腫性)に分類されます。
非腫瘍性ポリープはがん化するリスクは低いため経過観察となることが多い一方、腫瘍性ポリープは良性であっても将来的に大腸がんへ進行する可能性があるため注意が必要です。大腸がんは、はじめからがんとして発生する場合と、良性の大腸腺腫が悪性化して発生する場合がありますが、多くは後者です。ポリープは大きくなるほどがん化のリスクが高まるため、発がんリスクのある大腸腺腫を良性の段階で切除することが、大腸がん予防につながります。
大腸ポリープは、小さい場合や平坦な形状では、ほとんど自覚症状がありません。ポリープができやすい部位は直腸やS状結腸で、これらは硬い便が通過する場所のため、ポリープがある程度大きくなると、便潜血検査で陽性となり発見されることがあります。
さらに増大すると、腹痛、便通異常、出血(血便)、粘液便などの症状が現れることがあります。こうした症状がみられる場合には、すでにがん化している可能性もあるため、早めに医療機関を受診し、適切な検査・治療を受けることが重要です。
ポリープができる主な原因は、遺伝子の異常と考えられています。
以下の要因がリスクを高めます。
便潜血検査(検診)
便に血が混じっていないかを調べます。陽性の場合は必ず精密検査が必要です。進行がんの90%以上、早期がんの約50%を発見できるとされています。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
粘膜を直接観察できる最も精度の高い検査です。ポリープの大きさや形、色、表面構造を詳しく確認でき、検査中にポリープを切除できる点が大きな特徴です。
注腸エックス線造影検査
大腸に造影剤を注入してエックス線撮影を行い、ポリープの形や大きさ、位置などを評価します。大腸全体の形態を把握することができます。
大腸ポリープの治療は、病変の形や大きさ、性状に応じて内視鏡的に行います。
主な方法には、ポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があり、適切な術式を選択します。多くの場合、内視鏡治療でポリープの切除が可能ですが、進行度や患者様の全身状態・既往歴によっては、外科手術が必要となることもあります。
良性の腫瘍性ポリープである大腸腺腫は、治療せずに放置すると、高い確率で大腸がんへ進行するといわれています。腺腫は数日や数週間でがん化するものではなく、数年かけてゆっくりと成長し、がんへ移行します。そのため、定期的な大腸内視鏡検査によってポリープを早期に発見し、がんになる前に切除することが、大腸がん予防において最も有効な方法です。
実際に、前がん病変である大腸腺腫を内視鏡的に切除することで、大腸がんの罹患率を約70~90%低減できると報告されています。健康診断や年齢、気になる症状をきっかけに、定期的な大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。
大腸がんは、日本で最も患者数(罹患数)が多いがんの一つです。大腸は大きく「結腸(盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸)」と「直腸」に分けられ、日本人ではとくにS状結腸と直腸にがんが発生しやすいことが知られています。
早期の大腸がんにはほとんど自覚症状がなく、「気づいたときには進行していた」というケースが少なくありません。そのため、40歳を過ぎたら毎年の大腸がん検診が非常に重要です。
大腸がんの発症には、生活習慣が大きく関与していると考えられています。運動不足、脂肪の多い食事や食物繊維の不足、過度な飲酒や喫煙、肥満などは、大腸がんのリスクを高める要因です。近年、日本では食生活の欧米化に伴い、大腸がんの罹患率が増加しています。過去20年間で死亡者数は約1.5倍に増え、現在では欧米とほぼ同等の水準となっています。これは、日常生活の積み重ねが、将来的ながんのリスクに大きく影響することを示しています。
また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患がある場合、腸の炎症が長期間続くことで、大腸がんの発症リスクが高まります。
大腸がんは40歳以降に発症リスクが上昇するため、自覚症状がない場合でも、定期的に大腸カメラ検査を受け、早期発見につなげることが重要です。
早期の大腸がんには、自覚症状がほとんどありません。
進行すると、以下のようなサインが現れます。
特に、「S状結腸」や「直腸」など肛門に近い場所にがんができると、血便や便通異常が出やすくなります。逆に、肛門から遠い「盲腸」や「上行結腸」のがんは症状が出にくく、貧血のみで発見されることもあります。
血液検査では、がんによる出血に伴う貧血の有無や、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9など)を調べます。腫瘍マーカーは、治療効果の判定や経過観察にも用いられます。
超音波、CT、MRI、PET-CTなどの画像検査では、がんの位置や大きさ、周囲臓器やリンパ節、肝臓・肺などの臓器への転移の有無を確認します。
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)は、診断において最も重要な検査です。大腸の粘膜を直接観察し、異常があれば組織を採取(生検)します。採取した組織は病理検査を行い、顕微鏡で詳しく調べることで、がんかどうかを確定診断します。さらに、がんの悪性度や遺伝子異常の評価は、治療方針を決定するうえで重要な情報となります。
大腸がんの治療は、がんの進行度(ステージ)や全身状態に応じて選択されます。
01内視鏡治療
がんが粘膜の表面にとどまっている段階であれば、内視鏡で切除するだけで完治が可能です。体への負担が少なく、日帰りまたは短期入院で可能な場合もあります。
02外科的手術
がんが深く進行している場合や、リンパ節転移の可能性がある場合に行われます。近年は、傷が小さく回復が早い「腹腔鏡手術」や「ロボット支援手術」が普及しています。
※手術が必要な場合は、連携する高度医療機関へ迅速にご紹介いたします。
03化学療法・放射線療法
化学療法は、術後の再発予防や、手術が難しい進行がんに対して行われます。
近年は、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの登場により、治療成績が向上しています。
放射線療法は主に直腸がんに対して行われ、手術の前後や再発時、また症状緩和を目的として併用されます。
さらに近年では、遺伝子情報を活用した個別化医療が進み、患者様一人ひとりに適した治療を選択できるようになっています。
大腸がんは、日本人にとって非常に身近で、命に関わる病気です。しかし、その一方で、これほど予防が可能ながんも多くはありません。
なぜなら、大腸がんの多くは「良性のポリープ」という長い前段階を経てから発症するため、ポリープの段階で切除すれば、がんになる前に防ぐことができるからです。
「便潜血検査で陽性が出たけれど、忙しいから」「検査が恥ずかしいから」こうした理由で検査を先延ばしにしてしまうことが、実は最大のリスクとなります。
当院では、鎮静剤を使用し、眠っているような感覚で受けていただける「苦痛の少ない大腸カメラ検査」を行っています。また、下剤を服用するスペースへの配慮など、プライバシーや快適さにも十分に配慮しています。40歳を過ぎた方、ご家族にがんの既往がある方、便通が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
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