治療は、「生活習慣・食習慣の改善」と「薬物療法」の2本柱で行います。患者様一人ひとりの症状タイプ(もたれ型、痛み型など)に合わせて、最善の組み合わせを提案します。
01 生活習慣・食習慣の改善
自律神経を整え、胃腸への負担を減らすことが第一歩です。
十分な睡眠、適度な運動、ストレスを溜めない工夫(趣味や休息)を心がけましょう。
「よく噛んでゆっくり食べる」「腹八分目」が基本です。一度にたくさん食べられない場合は、1回の量を減らして回数を増やす(分食)のも有効です。
症状が強い時は、脂っこい食事(揚げ物・クリームの多いデザートなど)、激辛料理、アルコール、カフェイン、炭酸飲料は控えましょう。禁煙も重要です。
02 薬物療法
症状のタイプに合わせて、以下のお薬を使い分けます。
消化管運動機能改善薬(アコチアミドなど):胃の広がりを良くしたり、排出を促したりして、胃もたれや早期飽満感を改善します。
酸分泌抑制薬(PPI、P-CAB、H2ブロッカー):胃酸の分泌を抑え、痛みや胸やけ、灼熱感を和らげます。
1. 漢方薬(六君子湯など):体質改善を含め、胃の動きや過敏性を穏やかに整えます。
2. 抗不安薬・抗うつ薬(少量):脳の過敏性を鎮めることで、痛みの感じ方を正常に戻す効果があります。
ピロリ菌感染がある場合、除菌治療を行うことで症状が改善するケースがあります(H.pylori関連ディスペプシア)。
機能性ディスペプシアは、検査で異常が見つからないために「気のせい」「精神的なもの」と片付けられてしまい、誰にも理解されずつらい思いをされている患者様が少なくありません。しかし実際には、胃や十二指腸の機能異常や知覚過敏といった医学的に説明できる病態が存在し、適切な診断と治療によって症状の改善が十分に期待できる疾患です。
当院では、まず胃がんなどの重大な病気がないかを専門医による胃内視鏡検査でしっかりと確認します。その上で、「異常なし」で終わらせることなく、患者様の症状やつらさに寄り添い、生活指導や漢方薬なども含めたオーダーメイドの治療を行います。「検査では異常がないと言われたが、やっぱり調子が悪い」「胃薬を飲んでも良くならない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。