げっぷが起こる仕組み
胃と食道の境目には、「下部食道括約筋」と呼ばれる筋肉があり、通常は胃の内容物や空気が食道へ逆流しないように働いています。しかし、食後に胃が膨らんだときや、緊張やストレスが強いときなどには、この筋肉が一時的にゆるみ、胃の中に溜まった空気が食道へ逆流して「げっぷ」として排出されます。
げっぷ・おなら

げっぷ(曖気:あいき)とは、口から飲み込んだ空気や、胃の中で発生したガスが、食道を通って口から排出される現象です。食事や会話の際、あるいは緊張したときなどに、誰にでも起こる生理的な反応であり、げっぷが出ることで胃や胸のつかえ感、圧迫感が和らぐこともあります。多くの場合は心配のいらない症状ですが、げっぷの回数が明らかに増えた場合や、胃もたれ・胸やけ・胃痛・吐き気を伴って長期間続く場合には、胃や食道の病気が関与している可能性があります。
胃と食道の境目には、「下部食道括約筋」と呼ばれる筋肉があり、通常は胃の内容物や空気が食道へ逆流しないように働いています。しかし、食後に胃が膨らんだときや、緊張やストレスが強いときなどには、この筋肉が一時的にゆるみ、胃の中に溜まった空気が食道へ逆流して「げっぷ」として排出されます。
01空気の飲み込みが多い
早食い、会話をしながらの食事、炭酸飲料の摂取、ガムや飴を頻繁に噛む習慣などにより、無意識のうちに多量の空気を飲み込むことで、げっぷが増えます。また、ストレスや不安が強い方では、知らず知らずのうちに空気を飲み込んでしまう「呑気症(空気嚥下症)」の状態になっていることがあり、症状が悪化しやすくなります。
02消化不良・胃の運動低下
脂っこい食事や暴飲暴食、不規則な食事時間などにより胃の消化機能が低下すると、食べ物が胃の中に長く停滞し、ガスが発生しやすくなります。その結果、胃もたれや膨満感とともにげっぷが増加します。
03食事内容・生活習慣の影響
炭酸飲料、ビールなどのアルコール類、納豆やキムチといった発酵食品は、胃内でガスを発生させやすく、げっぷの原因となることがあります。また、猫背などの前かがみの姿勢は腹圧を高め、胃を圧迫することで症状を助長することがあります。
04ストレス・自律神経の乱れ
強いストレスや慢性的な疲労は、自律神経のバランスを乱し、胃腸の運動機能を低下させます。その結果、胃からの排出が遅れ、げっぷや胃の不快感が持続することがあります。
逆流性食道炎
胃酸が食道へ逆流することで、胸やけ、呑酸(酸っぱいものが上がる感じ)、げっぷの増加などが起こります。
胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃粘膜の炎症や潰瘍によって消化機能が低下し、胃にガスが溜まりやすくなります。げっぷに加え、胃痛、胃もたれ、吐き気などを伴うことがあり、ピロリ菌感染が関与しているケースも少なくありません。
機能性ディスペプシア(FD)
内視鏡検査で明らかな異常が見つからないにもかかわらず、胃もたれ、膨満感、早期満腹感、げっぷなどの症状が慢性的に続く疾患です。ストレスや生活習慣、自律神経の乱れが発症・悪化に関与すると考えられています。
食道裂孔ヘルニア
本来、お腹(腹腔)にあるべき胃の一部が、横隔膜の穴(食道裂孔)を通って胸側へ滑り出てしまっている状態です。胃酸や空気の逆流を防ぐ機能が弱まるため、慢性的なげっぷ、胸やけの原因となります。
胃がん
胃の運動や消化機能が障害されることで、慢性的なげっぷや胃の不快感が続くことがあります。早期には自覚症状が乏しいことも多いため、症状が持続する場合は定期的な検査が重要です。
おならとは、肛門から排出される腸内ガスのことを指します。腸内ガスは、「口から無意識に飲み込んだ空気」と「腸内細菌が食べ物を分解・発酵する際に発生するガス」が混ざり合ってできています。健康な方でも腸内には一定量のガスが存在し、1日に10~20回程度おならが出ることは生理的に正常な反応です。
一方で、おならの回数が極端に多い、臭いが以前より強くなった、お腹の張り(腹部膨満感)や腹痛を伴うといった場合には、腸内環境の乱れや消化管疾患が関与している可能性があります。
おならの悩みは主に「回数・量」と「臭い」に分けられます。
01食物繊維の多い食事
(ガスの量が増える)
食物繊維(豆類、イモ類、穀類、きのこ類、海藻類、根菜類など)は、小腸で消化・吸収されにくく大腸まで届きます。これを腸内細菌が分解する際に、水素やメタンなどのガスが発生します。これらによって生じるガスは無臭であることが多く、腸の運動を促進し便通改善に役立つため、基本的には心配ありません。
02動物性たんぱく質・脂質の過剰摂取(臭いが強くなる)
肉類や脂質を多く含む食事を摂り過ぎると、小腸で十分に分解されずに大腸へ到達します。その際、悪玉菌(ウエルシュ菌など)の働きで、硫化水素、アンモニア、スカトールといった強い臭いをもつガスが産生され、臭いのきついおならの原因となります。にんにく、ニラ、ネギなども同様に臭いの原因となります。
03便秘による腸内ガスの滞留
便秘があると、腸内で便の滞留時間が長くなり、発酵や腐敗が進行します。その結果、ガスの産生量が増え、臭いも強くなります。また、腸内に溜まったガスの一部は腸管から血液中に吸収され、肺へ運ばれて呼気として排出されることで、口臭の原因となることもあります。
04ストレスや緊張による影響
強いストレスや緊張状態では、無意識に空気を飲み込む量が増えたり、自律神経の乱れにより腸の動き(蠕動運動)が低下したりするため、腸内ガスが増えやすくなります。
呑気症(どんきしょう)
日常的に大量の空気を飲み込んでしまう状態です。飲み込まれた空気の多くはげっぷとして排出されますが、処理しきれない空気が大腸まで到達すると、おならが増えます。早食い、口呼吸、ストレスの多い生活、不安傾向のある方に多く見られます。
過敏性腸症候群(IBS)
検査では明らかな異常が見つからないにもかかわらず、腹痛、下痢、便秘、ガスだまりなどが慢性的に続く疾患です。腸の知覚過敏が関与しており、少量のガスでも強い張りや不快感を感じたり、頻繁におならが出たりすることがあります。
小腸内細菌異常増殖症(SIBO)
本来は細菌が少ない小腸内で、細菌が異常増殖してしまう病態です。小腸内で糖質などが過剰に発酵されることで大量のガスが発生し、食後のお腹の張り、おなら、げっぷ、腹痛、下痢・便秘などを引き起こします。
炎症性腸疾患(IBD)
免疫機能の異常により、腸管に慢性的な炎症を引き起こす疾患です(潰瘍性大腸炎、クローン病など)。下痢、血便、腹痛が主な症状ですが、腸内環境の悪化によりガスの増加やおならの異常を伴うこともあります。若年層での発症も多いため注意が必要です。
大腸がん・腸閉塞
大腸がんや高度の便秘、手術後の癒着などにより腸管が狭くなると、ガスや便の通過障害が起こり、腹部膨満感、おならの増加、細い便などの症状が現れることがあります。
げっぷやおなら、お腹のガスに関する悩みは、非常にデリケートです。「こんなことで病院に行っていいのだろうか」「恥ずかしくて相談しにくい」と、一人で抱え込んでしまう患者様が少なくありません。
しかし、回数の増加や臭いの変化、張り感といった症状は、腸内環境の乱れだけでなく、胃がんや大腸がん、IBD(炎症性腸疾患)といった病気の重要なサインである可能性があります。適切な検査で原因がわかれば、お薬や食事療法で症状を改善できるケースがたくさんあります。
快適な毎日を取り戻すために、まずは一度、当院までご相談ください。
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